GSMとは?詳しい解説と他の技術との比較

GSM(Global System for Mobile Communications/グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ)は、世界中でモバイル通信のために利用されている重要な技術の一つで、日本語ではアルファベットでそのままジーエスエムと読みます。GSMは日本や韓国では使われていないため、日本人には馴染みがありませんが、現代日本でも使われている5Gなどの元になった技術です。この記事では、GSMネットワークとは何か、GSMが利用している周波数や3G、4G、5Gとの比較、そしてスマートフォンがGSM対応であるかどうかの確認方法についてわかりやすくご案内します。

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GSMとは?詳しい解説と他の技術との比較

GSMとは?

GSMとは、スマホ・携帯電話の第2世代ネットワーク(2G)用の国際標準規格の一つです。GSMが導入されたことで、下記のようなメリットが生まれました。

  • 通話の音質が良くなった。

  • 通信のセキュリティが強化され、盗聴などが難しくなった。

  • 国際ローミングに対応した。

  • GSMとともにSIMカードの仕組みが導入され、電話番号などの情報を簡単に別のデバイスに入れ替えて利用できるようになった。

データ通信機能を強化するために、GSMには次のような拡張機能が追加されました。

GPRS(汎用パケット無線サービス)

GPRSによりインターネットなどのデータ通信機能が追加され、常時接続が可能になりました。

EDGE(GSM拡張のための高データ通信速度)

GPRSを高速化した技術で、最大通信速度は384kbps に向上、この技術は後の3Gへの橋渡し的な役割を果たしました。

GSMの歴史

GSMは1980年代のヨーロッパで生まれました。当時のヨーロッパでは、国ごとに異なるアナログ電話システムが利用されていたため、携帯電話で国際電話や国際ローミングサービスを利用することができませんでした。日本とは異なり、ヨーロッパの国々は陸続きで頻繁に隣国に移動する人も多く、携帯電話で国際電話やローミングができないことは非常に不便でした。そのため、現在のEU(欧州連合)の前身であるEC(ヨーロッパ共同体)と欧州電気通信標準化機構(ETSI)が協力して、共通のデジタル規格の開発をスタートし、1987年に13カ国がGSM基準に合意しました。1991年にフィンランドの通信会社により、世界初のGSM商用サービスが提供されました。

GSMは当時としては革新的な技術であり、1990年代後半に、ヨーロッパはもちろんのこと、アジア、アフリカ、中南米など世界の130か国以上の国々に広がりましたが、日本では普及しませんでした。その理由はいくつかありますが、日本ではすでにNTTなどによる国内ネットワークが整っていたため、GSMに切り替えるメリットが少なかったことや、日本の電波の周波数が異なっており簡単には切り替えられなかったこと、また、日本政府や日本企業の関心は国内向けビジネスにあり携帯電話のグローバルな利用に注目していなかったという、いわゆるガラパゴス状態で携帯電話の開発が進められていたことが挙げられます。

GSMの周波数帯

GSMは地域や国によって異なる周波数帯が使われており、主に以下の4つの周波数帯が採用されています。

GSM 850 MHz

範囲:北米・中南米(アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジルなど)

特長:電波が建物内や障害物を通過しやすく、広範囲に届きやすい。

GSM 900 MHz

範囲:ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東、オーストラリアなど

特長:屋内外ともに安定した通信が可能で、世界中で最も普及しているGSM帯域のひとつ

GSM 1800 MHz(DCS 1800)

範囲:ヨーロッパ、アジア、アフリカ、オーストラリアなど

特長:高密度地域(都市部)での容量確保に適している。

GSM 1900 MHz(PCS 1900)

範囲:北米、南米(アメリカ、カナダなど)

特長:北米でGSMが導入された際に使われた帯域で、GSM 850と組み合わせて使用されることが多い(デュアルバンド対応)。

GSMの他の重要な技術パラメータ:

  • 多重アクセス方式:TDMA(時分割多元接続)

  • タイムスロット数:1キャリアあたり8スロット

  • デュプレックス間隔:通常45MHz

  • フレーム持続時間:4.615ミリ秒(

  • 暗号化:A5/1、A5/2など

GSMと3G、4G、5Gの比較

開発された当時、GSMは先進的な技術でしたが、その後モバイルデータ通信技術はさらに大きく進化しました。以下にGSMと3G、4G、5Gの比較を表にまとめました。

項目

GSM(2G)

3G(UMTS)

4G(LTE)

5G

導入時期

1990年代初頭

2000年代

約2010年〜

2019年以降

主な用途

音声通話・SMS

音声+モバイルデータ

動画・アプリなど高速通信

スマート機器、IoT、AR/VRなど

通信速度

最大64kbps

約384kbps

約100Mbps

1〜10Gbps

SIM技術

物理SIM

物理SIM

物理SIM

eSIM(組み込みSIM)+物理SIM

反応速度

高い

中程度

低い

非常に低い

GSMでは物理的なSIMカードが利用できるようになったことが革新的でしたが、最新の5GではeSIM(組込み型SIM)を利用することができます。eSIMはデバイスに内蔵されていて物理的なカードを使わず、インターネット接続さえあればどこでもアクティベート可能です。SailyのようなデジタルSIMプロバイダーを利用することで、海外旅行時などに簡単にプランや通信会社を切り替えてモバイルデータ通信を利用ることができます。旅行中などにバッテリーを節約したい場合は、5Gをオフにして4Gを利用することも可能です。

デバイスのGSM対応を確認する方法

現在では日本や欧米でほとんど使われていないGSMですが、GPSトラッカー、自動販売機、遠隔監視センサーなどに利用されていることもあります。また、インフラ整備が進んでいない国や地域では、現在でもGSMがメインの通信手段として利用されていることがあります。自分のスマートフォンなどのデバイスがGSM対応かどうかを確認するには、以下の方法があります。

  • メーカーの公式サイトを確認

    スマートフォンのメーカーの「仕様」ページでGSM/2Gの周波数(850/900/1800/1900 MHz)を探しましょう。

  • 端末の設定で確認

    AndroidやiPhoneでは「設定」>「端末情報」>「ネットワーク」で対応バンドが表示されることがあります。

  • IMEIチェックツールを利用

    IMEI番号を使って対応バンドを表示するオンラインツール(例:IMEI.info)を利用する。

  • スマートフォンのSIMスロットの有無を確認

    SIMカードを使う端末であれば、GSMに対応している可能性が高いです。

  • スマートフォンのメーカーに確認

    海外旅行時などにGSMを利用したい場合は、使用する国や通信会社に対応しているかを確認するのが確実です。

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その他利用可能: EnglishEspañol

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saily blog author nozomi nishimurae
Nozomi Nishimura

元デジタルノマドのNozomiは、7カ国を旅しながら暮らした経験を持ちます。どの国でも居心地よく過ごせたそうです。世界市民として、そして何よりも生まれながらの大阪人として「よりお得に、より良いものを見つける」を旅のモットーとしている彼女は、 情報を見つけることに長け、旅行中はeSIMを通してプロのようにウェブでリサーチを行います。