
異なるデバイスでデュアルeSIMを設定する方法:手順ガイド
最近はスマホ内蔵型のeSIMに加え、2つのeSIMを同時に利用できるデュアルeSIM対応の機種が増えています。デュアルeSIMを利用することでさまざまなメリットがありますが、設定方法やその詳細に関しては、まだあまり知られていません。この記事では、デュアルeSIMの仕組みをはじめ、メリットとデメリット、対応機種、異なるデバイスでデュアルeSIMを設定する方法について詳しく解説します。

デュアルeSIMとは?
デュアルeSIMとは、1つのスマートフォンで2つのeSIM(スマホ内蔵型のSIM)を同時に利用できる機能を指します。従来の物理SIMカードを挿入する必要がなく、デジタル形式でモバイルネットワークの情報を登録できるeSIMの利便性を、さらに拡張したものです。
デュアルeSIMを利用することで、仕事用とプライベート用の番号を一台のスマホで使い分けたり、国内外のモバイルプランを同時に利用することが可能です。また、LINEのアカウントを2つ保持できるため、それぞれの用途に応じた使い分けができ、スマホを2台持ち歩く手間やSIMカードを差し替える煩わしさを解消できます。
さらに、データ通信や音声通話でそれぞれ安価かつ最適なプランを選択することができるため、コストを削減できるのも魅力です。
デュアルeSIMは特に、海外旅行や出張が多いユーザーや、仕事とプライベートの通信環境を分けたいユーザーにとって、柔軟で賢いな選択肢です。現在デュアルeSIMに対応しているのは、最新のiPhoneや一部のAndroid端末に限られていますが、今後さらに対応機種が増えることが期待されています。
デュアルeSIMを使用すべき理由
デュアルeSIMは、スマートフォンの利便性をさらに高める画期的な技術です。以下に、デュアルeSIMを使用すべき主な理由を紹介します。
デュアルSIMで2つの電話番号を利用する場合、回線を切り替えなければ、どちらか片方しか使用できません。デュアルeSIM対応スマホの場合は切り替えする必要がなく、2つの回線ともに同時に着信することができ、同様にSMSも両方の回線で受信可能です。
海外旅行や出張などで複数の国をまたいで移動する場合に、デュアルeSIM対応スマホを使って2つのeSIMを有効にしておくことで、それぞれの国に到着後、細かい設定をせず、すぐにインターネットが利用できます。
デュアルeSIM対応のスマホの場合、データ通信と通話料をそれぞれ安い通信キャリアを組み合わせて契約することで、毎月のスマホ使用料を安く抑えることができます。
デュアルeSIM対応のスマホを使用すると、2つの電話番号を利用できるほか、LINEなどのメッセージアプリで2つのアカウントを同時に保持することが可能です。これにより、仕事用とプライベート用で使い分けることができます。
災害時など、通信障害によって片方のインターネット回線が接続できない場合、もう一つ回線を使用することができます。
これまで、OSやアプリのアップデートを2台のスマホそれぞれで行う必要がありました。しかし、デュアルeSIM対応スマホを使用すれば、1台のスマホで済むため、手間が省けるだけでなく、セキュリティの向上にもつながります。
デュアルeSIMのメリットとデメリット
デュアルeSIMを使用する際にはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。こちらでは、デュアルeSIMを使用する際のメリットとデメリットを紹介します。
デュアルeSIMのメリット
2つの電話番号で同時に着信できる
スマホを2台持ち歩く必要がなくなる
通信契約などをオンライン上で全て完結できる
回線とデータ通信を、仕事用とプライベート用に分けることができる
海外旅行の際に2つのeSIMを国内用と海外用に分けることができる
月々の通信料と通話料を安く抑えられる
セキュリティ対策を実行するのが1台だけで済むので安全性が高まる
デュアルeSIMのデメリット
デュアルeSIMに対応している機種はまだ少ない
SIMフリーのスマホが必要
スマホのバッテリーの消耗が早い場合がある
スマホ自体が故障した場合、eSIMが2つとも使用できなくなる
デュアルeSIM対応機種
現在、各メーカーから発売されているスマホのうち、いくつかの機種はデュアルeSIMに対応しています。こちらでは、iPhoneとAndroid端末(SamsungとGoogle Pixel)でデュアルeSIMに対応している機種を紹介します。
デュアルeSIM対応iPhone
デュアルeSIMは、以下のiPhoneモデルに対応しています。
iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Max
iPhone SE(第3世代)
iPhone 14、iPhone 14 Plus、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Max
iPhone 15、iPhone 15 Plus、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max
iPhone 16、iPhone 16 Plus、iPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Max
ただし、以下のモデルではデュアルSIMとして、物理SIMカードとeSIMの組み合わせが利用可能ですが、デュアルeSIMには対応していません。
iPhone XR
iPhone XS、iPhone XS Max
iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max
iPhone SE(第2世代)
iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max
注意点としては、iPhoneで2つの異なる通信事業者を利用するには、iPhoneのロックを解除してSIMフリーの状態にする必要があります。また、アメリカで購入したiPhone 14以降のモデルは、物理的なSIMカードに対応していません。さらに、中国、香港、マカオなどで販売されている一部のiPhoneモデルでは、2枚の物理SIMカードに対応していますが、日本で発売されているiPhoneではこの機能に対応していないため注意が必要です。
デュアルeSIM対応Samsung端末
Samsung(サムスン)の端末でデュアルeSIMに対応している機種は以下の通りです。
Galaxy S24シリーズ(Galaxy S24、Galaxy S24 Ultra)
Galaxy Z Fold6
以下のモデルは、デュアルSIMに対応しています。
Galaxy S23シリーズ以降
Galaxy A54 5G以降
Galaxy A23 5G
Galaxy Z Fold4以降
Galaxy Z Flip4以降
デュアルeSIM対応Google Pixel端末
Google Pixel端末では、以下のモデルがデュアルeSIMに対応しています。
Google Pixel 7、Google Pixel 7a、Google Pixel 7 Pro
Google Pixel 8、Google Pixel 8a、Google Pixel 8 Pro
Google Pixel 9、Google Pixel 9 Pro、Google Pixel 9 Pro XL、Google Pixel 9 Pro Fold
Google Pixel 7とGoogle Pixel 7 Proは当初eSIMのみに対応していましたが、現在はソフトウェアのアップデートによりデュアルeSIMに対応しています。
デュアルeSIMではなく、Google Pixel端末でeSIMに対応しているモデルを以下に紹介します。
日本国内向け製品
Google Pixel 4以降のすべてのモデル
海外向け製品
Google Pixel 3a以降のすべてのモデル
主なeSIM対応モデル一覧
Google Pixel 4、Pixel 4 XL
Google Pixel 4a、Pixel 4a (5G)
Google Pixel 5、Pixel 5a
Google Pixel 6、Pixel 6a、Pixel 6 Pro
Google Pixel 7、Pixel 7a、Pixel 7 Pro
Google Pixel 8、Pixel 8a、Pixel 8 Pro
Google Pixel Fold
デュアルeSIMの設定方法
ここからは、iPhone、Samsung、Google Pixel端末のデュアルeSIMの設定方法の詳しい手順を紹介します。
iPhone端末のデュアルeSIM設定方法
以下は、iPhone端末におけるデュアルeSIMの設定方法です。
1.使用しているiPhoneが、デュアルeSIMに対応している機種かどうかを確認します。
2.通信キャリアのウェブサイトやサポートからeSIMのQRコード、または設定コードを入手します。
3.1つ目のeSIMを設定するために設定アプリを開き、「モバイル通信」を選択します。
4.「eSIMを追加」をタップし、「QRコードを使用」または「近くのiPhoneから転送」を選択します。
5.「モバイル通信プランを追加」と表示されるので、「eSIMをアクティベート」>「続ける」と進みます。
6.アクティベート完了後、設定画面に戻るので、eSIMが追加されたことを確認し、必要なら名称を変更し、「続ける」をタップします。
7.1つ目のeSIMの設定が完了すると、「モバイル通信」の中のSIMの一覧に表示されます。
8.2つ目のeSIMも1つ目のeSIMと同じように設定し、「モバイル通信」の中のSIMの一覧に登録した2つのeSIMが表示されているかを確認します。
9.モバイルデータ通信と音声通話の設定で、両方の回線をオンにすることで、2つの回線を同時に利用できます。また、音声通話時には、通話に使用する電話番号を選択することが可能です。
Samsung端末でデュアルeSIMを設定する方法
以下は、Samsung端末におけるデュアルeSIMの設定方法です。
1.使用しているSamsung端末がデュアルeSIMに対応しているかを確認します。
2.Samsung端末の「設定」>「ネットワークのインターネット」の順に進みます。
3.「モバイルネットワーク」をタップし、設定したい回線を選択し、設定します。
4.有効なeSIMのうち、設定したいeSIMを選択します。
5.「データ通信の設定」、「通話の設定」、「SMSの設定」それぞれをタップし、利用するeSIMを選択します。
6.選択したeSIMが反映されているかを確認します。
Google Pixel端末でデュアルeSIMを設定する方法
以下は、Google Pixel端末におけるデュアルeSIMの設定方法です。
使用しているGoogle Pixel端末がデュアルeSIMに対応しているのかを確認します。
スマートフォンの設定アプリを開き、「ネットワークとインターネット」>「SIM」の順にタップします。
「SIMをダウンロードしますか?」をタップします。
画面上の指示に沿って操作し、2つのeSIMプロファイルを有効にします。
次に「設定」を開いて、「ネットワークとインターネット」>「SIM」の順に進みます。
設定したい2つのSIMを選択します。
2つの回線の「データ通信(モバイルデータ)」をオンにします。
「通話設定」と「SMSの設定」それぞれでデフォルトの通信キャリアを選択し、「毎回確認する」をタップします。
デュアルeSIMのサービスプロバイダーを選ぶ方法
最後に、自分に合ったデュアルeSIMのサービスプロバイダーを選ぶために、選択時のポイントを詳しく説明します。
対応エリアを確認する:プロバイダーが提供しているサービスが、自分が利用する予定の国や地域で対応しているかを確認しましょう。特に海外旅行や出張が多い場合は、多国間での対応エリアが広いプロバイダーがおすすめです。
提供されているプランを比較する:通話、データ通信、メッセージなど、用途に応じたプランを選びましょう。通話付きやデータ専用プランなど、選択肢が豊富なプロバイダーを選ぶと便利です。
通信速度とネットワークの品質をチェックする:サービスプロバイダーの通信速度やネットワークカバレッジを調べ、安定した接続が得られるかを確認します。オンラインでのレビューや評判も参考になります。
料金を比較する:プラン料金や初期費用を比較し、コストパフォーマンスの高いプロバイダーを選びましょう。隠れた追加費用がないかも確認してください。また、割引や特典が付いた長期プランも、コストを抑える上で見逃せないポイントです。
サポート体制を確認する:トラブル発生時に、迅速に対応してもらえるカスタマーサポートがあるかどうかも重要です。メール、電話、チャットなどのサポート手段が充実しているプロバイダーを選びましょう。
アプリや設定の使いやすさを確認する:設定がスムーズに行えるプロバイダーを選ぶために、公式アプリや設定手順のわかりやすさもチェックしましょう。
セキュリティ面での信頼性を確認する:プロバイダーの公式サイトで、セキュリティ対策の内容が明確に記載されているかを確認しましょう。また、明確なプライバシーポリシーが提供されていることも重要な確認ポイントです。
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