iPhoneで複数のeSIMを使用する方法について解説

現在、スマホの中でも複数のeSIMが使える機種も珍しくなくなりました。特にiPhoneは、比較的早い段階から複数のeSIMが使用可能なこともあり、注目を集めています。しかし、使用方法がわからないというユーザーの声もよく耳にします。そこで今回は、iPhoneにおける複数のeSIMの仕組みについて説明しながら、使用方法についても詳しく解説します。

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iPhoneで複数のeSIMを使用する方法について解説

eSIMとは?

こちらではeSIMについて解説します。

eSIMとは、Embedded Subscriber Identity Moduleの略称で、物理的には存在しないインターネット上に存在するSIMのことです。通常、物理的なSIM(Subscriber Identity Moduleの略称)やSIMカードと呼ばれるチップには、加入者を特定するための識別情報が記録されています。これらの物理的なSIMをスマホやタブレットなどデバイスに挿入することによって、通話やインターネット通信が可能になります。

一方、eSIMの場合はその名の通り、あらかじめ端末に組み込まれている埋め込み型のSIMなので、インターネット上で加入者識別情報を書き換えることが可能となります。

物理的なSIM(またはSIMカード)の場合はプラスチックカードを使用しているため、スマホでインターネット通信や通話をするためにはSIMカードを挿入しなければなりませんが、eSIMの場合はSIMを抜き差しする必要がないため、例えばICチップが差し替え時の接触により錆びてしまい接続不良を起こしたり、SIMカードのサイズが小さいがゆえに紛失してしまうといった、様々なリスクを回避することができます。このように、物理的なSIMと比べてeSIMの方が故障や紛失などのリスクを避けることができ、機種変更する際も手続きがスムーズにできるというメリットがあります。特に海外旅行の際には、滞在先で使用可能なSIMカードを現地で購入し、お使いのスマホで設定しなければなりません。

加えてSIMは国毎に異なる場合がほとんどで、国境をまたいで移動する場合はその都度購入して設定する必要があり、それがこれまで海外旅行者や出張者のネックといえました。しかし、近年はSailyという世界180か国で利用可能な便利なeSIMをはじめ、数多くのeSIMサービスが登場したことで、それまで面倒だったSIMの出し入れや設定をすべてオンライン上で行うことが可能となるなど、大幅に手間が削減された結果、滞在先に到着後すぐにインターネットを利用することができるようになっています。

iPhoneのeSIM対応機種は最大8回線以上のeSIMを保持可能ですが、これまで同時に使用できるのはひとつのみでした。しかしiPhone13以降の最近の機種では、ふたつのeSIMを同時に利用することができるデュアルSIMという機能を備えています。この機能により1台のデバイスでふたつのeSIMの回線を同時に利用できるため、ふたつの電話番号が利用可能になることでデバイスを2台持つ必要がなくなるなど、非常に革新的な技術といえるでしょう。

iPhoneで複数のeSIMを使用するメリット

以下に、iPhoneで複数のeSIMを使用する際のメリットをまとめました。

シームレスなネットワーク切り替え

デュアルSIM機能を兼ね備えているiPhoneの主なメリットの一つとして、ネットワークの切り替えがスムーズに行える点があります。例えば、お使いのネットワークが弱い地域に旅行する際や、特定の通信キャリアが通信障害によりインターネットがつながりづらく困った場合に、デュアルSIM機能のiPhoneであれば2回線のうちのもうひとつのeSIMに切り替えて別のネットワークを試すことができます。1台でふたつのネットワークを使用できるため、わざわざスマホを2台持ち歩く必要がない上、eSIMなら物理SIMのように抜き差しせずにオンライン上で簡単に設定ができるのもメリットといえます。

コスト削減

eSIMの組み合わせによっては通信料を節約することができます。一般的に電話番号が使用できないデータのみのeSIMの場合、電話番号を保持する音声eSIMよりも安いのが特徴です。そこで、デュアルSIM機能を兼ね備えるiPhoneを使用して、様々なキャリアが提供する異なる料金プランが適用されるeSIMを組み合わせることによって、毎月の通信費用をより安くすることができます。

利便性と柔軟性

iPhoneで複数のeSIMを使用することによって、各eSIMを開通させる際の手続きがスムーズになります。物理的なSIMカードの場合、申込みをしてからSIMカードが手元に届くまでに数日間かかりますが、eSIMの場合はオンライン上で申し込みを済ませて即開通することができます。また、iPhoneのクイックスタート機能を使用してeSIMを設定することで、別のデバイスにデータを簡単に移行することもできます。さらにデバイスがひとつだけなので、使用する充電ケーブルやスマホケース、スクリーンプロテクターなどのアクセサリーもふたつ購入する必要がなくなります。

仕事とプライベートの分離

iPhoneで複数のeSIMを使用する際の最大のメリットが、ひとつのデバイスでふたつの電話番号を持てる点でしょう。1台のスマホでふたつの電話番号を保持することで、それぞれを仕事とプライベートで分けて使用することができ、2台持ち歩く必要がなくなります。

デバイスのセキュリティ向上

iPhoneで複数のeSIMを使用することで、セキュリティ面の向上にも繋がります。例えば、これまでふたつのデバイスを保有していた場合は、セキュリティ対策ソフトやアプリのアップデートをそれぞれのデバイスで行なう必要がありましたが、複数のeSIMが使用可能なiPhone機種であれば、ひとつのデバイスでのみアップデートを実行するだけで常に最新の状態を保つことができます。

反対に、iPhoneでeSIMを利用するデメリットもいくつかあります。まず、eSIMはスマホ本体に内蔵されているため、物理的なSIMカードのように取り外しや入れ替えができず、仮にeSIM以外の箇所が故障して修理できない場合でも新たに機種変更しなければなりません。

また、機種変更をする際に、物理的なSIMはSIMカードを差し替えるだけで利用することができますが、eSIMの場合は再発行手続きが必要なため、複数の端末で利用するハードルが高いのが難点でしょう。

さらには、iPhoneのeSIM対応機種の中でもふたつのeSIMが使用可能なデュアルSIM対応機種はiPhone13以降の機種のみなので、その他の機種の場合はeSIMはひとつしか利用することができないのもデメリットといえます。

複数のeSIMに対応しているiPhone機種

iPhone はApple社が開発したスマートフォンですが、これまでのすべての機種で複数のSIMが使用できるというわけではありません。ふたつのSIMが利用可能でも、リリースされた時期によって「物理的なSIMカード+eSIMが使用可能な機種」、もしくは「物理的なSIMカード+eSIM、もしくはふたつのeSIMが使用可能な機種」に分けられます。以下では、iPhoneの中でもふたつ以上の複数のSIMに対応している機種をまとめました。

物理的なSIMカード+eSIMが使用可能な機種

  • iPhone XS

  • iPhone XS Max

  • iPhone XR

  • iPhone 11

  • iPhone 11 Pro 

  • iPhone 11 Pro Max

  • iPhone SE(第2世代)

  • iPhone 12

  • iPhone 12 mini

  • iPhone 12 Pro

  • iPhone 12 Pro Max

物理的なSIMカード+eSIM、もしくはふたつのeSIMが使用可能な機種

  • iPhone 13

  • iPhone 13 mini

  • iPhone 13 Pro

  • iPhone 13 Pro Max

  • iPhone SE(第3世代)

  • iPhone 14

  • iPhone 14 Plus

  • iPhone 14 Pro

  • iPhone 14 Pro Max

  • iPhone 15 

  • iPhone 15 Plus

  • iPhone 15 Pro

  • iPhone 15 Pro Max

このように、基本的にiPhoneではOSのバージョンがiOS12.1以降で、XS以降の機種で物理的なSIMカード+eSIMが使用可能であり、iPhone13以降の機種はさらにふたつのeSIMを使用することが可能な機種です。

iPhoneで複数のeSIMを設定する

iPhoneのすべてのeSIM対応機種は、複数のeSIMを登録することができ、iPhone13以降はデュアルSIMとしてふたつのSIMを同時に有効化することができます。こちらでは、iPhoneで複数のeSIMを設定する方法について解説します。

  1. デュアルeSIM対応のiPhone機種を用意します。異なるキャリアのeSIMを使用する場合はSIMロックの解除を忘れないようにしましょう。

  2. ひとつ目のeSIMを設定するために、「設定」>「モバイル通信」>「SIM」内の下部「eSIMを追加」の順にタップし、eSIMに関する情報を登録します。

  3. 2と同じ手順でふたつ目のeSIMを設定します。

iPhoneでeSIMを切り替える方法 

iPhoneでeSIMを切り替える方法としては、「設定」>「モバイル通信」>「SIM」の下にふたつ以上の回線があることが確認できたら、使用したいeSIMの回線をオンにすることで利用できるようになります。iPhone13以降の機種の場合はふたつのeSIMに対応可能なので、ふたつともオンにしておくことで、それぞれの電話番号への音声通話を着信することができます。

デュアルeSIMでの通話やメッセージ、データの使用方法

以下では、デュアルeSIMで通話やメッセージ、データを使用する方法について解説します。

音声通話

「設定」>「モバイル通信」>「デフォルトの音声回線」から使用したい電話番号を選択することで変更することができます。このデュアルeSIM機能のおかげで、電話をかける相手によって電話番号を使い分けることが可能になりました。

メッセージ

基本的には、iPhoneの「設定」>「モバイル通信」>「SIM」の欄に表示されている回線の中から使用したいeSIMの回線をオンにすることで切り替えることができます。iMessageやSMS/MMS、WhatsAppなどの各メッセージアプリを開いた後にメッセージを新規作成し、差出人欄から使用したい回線を選択することが可能です。

データ通信

iPhoneの「設定」>「モバイル通信」>「モバイルデータ通信」からお好みのeSIMへ切り替えることでデータ通信を行うことができます。

通話とメッセージ用の番号の選択

もし、iPhoneのデュアルeSIMを使用中で、音声回線とモバイルデータ通信の回線を別々に分けて使用している場合も、安心してください。その場合、「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオンにしておくことで、通話中にも音声とデータ通信の両方が利用可能になり、番号を選択することができます。

eSIMとモバイルデータ設定の管理

ここでは、eSIMとモバイルデータ設定の管理について解説します。

基本的にiPhone13以降の機種の場合、8個以上の複数のeSIMを保持することができます。ただし、同時に使用可能なのは2回線までなので注意しましょう。

また、各eSIMの回線を間違わないためにも、2個以上を設定した場合は各eSIMにラベルをつけるようにしましょう。ラベルのつけ方ですが、「設定」>「モバイル通信」>「SIM」>「モバイル通信プランの名称」から名称変更することが可能です。

さらに「モバイルデータ通信の切り替えを許可」がオフになっているとデュアルeSIMでの切り替えができず、圏外になるなどして通信できません。したがって、もしiPhoneでeSIMが設定できない場合は、まず「モバイルデータ通信の切り替えを許可」がオンになっているかどうかを確認するようにしましょう。

どうしてもiPhoneでeSIMが使用できない場合は、iPhoneでeSIM情報が認識されていない可能性が高いため、一度eSIMの設定を消去し、再設定する必要があります。eSIMを消去する方法は、「設定」>「モバイル通信」>「SIM」の欄から消去したい回線をクリックし、「eSIMを削除」をタップします。ただし、消去する前に契約している通信会社に問い合わせて、新しいeSIMを発行してから行うようにしましょう。

よくある質問

  • その他利用可能: EspañolEnglish

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    saily blog author bozena voitkevic
    Božena Voitkevič

    Boženaは、次から次へと続ける旅のようにスムーズに執筆を行っています。旅と執筆どちらも求める心を持つ彼女は、世界中で旅人をつなげるというミッションを掲げています。