iPhoneのeSIMクイック転送について紹介

現在、日本人の多くがiPhoneを使用していますが、機種変更時に古いiPhoneから新しいiPhoneへデータ移行する際、簡単にeSIMを移行できるのが「eSIMクイック転送」です。しかし、この便利な機能について知っている人はそう多くはありません。そこで今回は、なぜeSIMクイック転送がiPhoneやiPadユーザーにとって便利なのかをはじめ、eSIMの利便性と物理的なSIMカードの廃止に焦点を当てながら、わかりやすく紹介します。

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iPhoneのeSIMクイック転送について紹介

iPhoneのeSIMクイック転送とは?

iPhoneをお使いの皆さんは機種変更する際にどんな方法でSIMやデータを移行していますか?通常、iPhone同士の機種変更の場合には、古いiPhoneから新しいiPhoneにeSIMとデータを移行する必要がありますが、「eSIMクイック転送」というiPhone独自の機能を使用すれば、iPhone上で簡単にeSIM設定を引き継ぐことができます。

まず、eSIMとは、スマホに内蔵されたSIMカードの一種です。お使いのデバイスでeSIMを使用すると、各通信キャリアが提供している通信プランの契約から利用開始まですべてオンライン上で完結することができるようになります。eSIMは、物理的なSIMのように各デバイスで抜き差ししたり紛失するリスクがなく、オンライン上で契約後に即開通して利用できるため、これまでのようにわざわざ店舗へ出向いたり、物理的なSIMカードを郵送で送ってもらう手間を省くことができます。もちろん、iPhoneだけでなくiPadでもeSIMは利用できます。さらにほとんどの通信キャリアのiPhoneは、iOS16以降のeSIM対応機種であれば、eSIMクイック転送が利用できるだけでなく、ひとつのiPhoneで複数のeSIMが設定可能です。ただし、お使いのiPhoneで契約している通信プランが大手の通信キャリアの場合はほぼ間違いなくeSIMを設定することが可能ですが、一部の格安SIMメーカーは未対応となっており、その場合はeSIMクイック転送もできません。

通常、スマホを機種変更する際にはeSIMを再発行する必要がありますが、eSIMクイック転送を利用すると、スマホ内の設定から無料で簡単にeSIM移行することが可能です。また、eSIMクイック転送は、物理的なSIMカードからeSIMに変換することができます。なお、このeSIMクイック転送は、eSIM設定の対応機種であり、eSIMクイック転送に対応している同じiPhone同士、もしくはiPad同士であることが前提で、iPhone-iPad間では利用できないので注意しましょう。

このように、iPhoneやiPadなどで機種変更する際にeSIMクイック転送を使用することで、古いデバイスから新しいデバイスへeSIMとデータの移行を簡単に実行することができます。

iPhoneのeSIMクイック転送を使用する際の注意点

上記ではiPhoneのeSIMクイック転送の利便性について紹介しました。こちらではiPhoneでeSIMクイック転送を使用する際の注意点について紹介します。

iPhoneのOSが最新であることを確認する

iPhoneでeSIMクイック転送を使用するためにはまず、以下の手順でiPhoneのOSの確認とアップデートを行なう必要があります。OSの最新版がリリースされたら定期的にアップデートすることで最新の機能が使用できるだけでなく、不具合の修正や新たな脅威による侵害を防ぐためのセキュリティ対策にもなります。

  1. iPhoneの画面から「設定」を選んで、「一般」をタップします。

  2. 「ソフトウェアアップデート」をタップします。

  3. 「ダウンロードとインストール」 をタップしOSを最新版にアップデートします。

BluetoothとWi-Fiの設定を確認する

iPhoneでeSIMクイック転送を実行する前にBluetoothやWi-Fiの設定を確認することも重要です。eSIMクイック転送では、BluetoothもしくはiCloudアカウントを利用してeSIMを簡単に移行することができますが、そのためにはWi-Fi接続などのインターネット環境があることと、新旧のiPhoneのBluetoothをオンにしておく必要があります。もし、テザリング機能を使った場合のインターネット回線が安定しているのであれば、そちらを利用しても問題ありません。

eSIMクイック転送が利用できるか確認する

ネットワークの制限がないか、デバイスの互換性、通信キャリアの制限をチェックすることで、実際にiPhoneでeSIMクイック転送が利用できるかどうかを確認することが大切です。iPhoneでeSIMクイック転送に対応しているのは、iPhone14以降、iPhone13、iPhone12、iPhone11、iPhone SE(第2世代)、iPhone XR、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone X、と各種iPadモデル(Pro、Air、Mini)です。上記以外の古いデバイスはeSIMに対応しておらず、iPhoneにeSIMを設定できない場合があります。

また、iPadの場合は、利用しているBluetooth®のバージョンをiPadOS 17以上、iCloudの場合はiPadOS 16.4以上(iPad第10世代はiPadOS 17以上)にアップデートする必要があります。

iPhoneのeSIMクイック転送の手順

こちらでは、iPhoneでeSIMクイック転送する際の手順を紹介します。

iPhoneのクイックスタート機能を使う

クイックスタートとは、古いiPhoneから新しいiPhoneに機種変更する際などにデータを素早く移行する機能のことで、eSIMクイック転送には必要不可欠な機能です。具体的には、iPhone OSのバージョンがiOS11以降であるiPhone同士が無線通信によって繋がることでデータ移行が実現します。また、新旧それぞれのiPhoneのOSのバージョンがiOS12.4以降の場合は、直接データ転送も可能です。以下は、新しいiPhoneでeSIMを設定する際にクイックスタートを使用する手順となります。

  1. データ移行する新しいiPhoneの電源を入れて、地域と言語を設定し、古いiPhoneに近づけます。

  2. 古いiPhoneの画面に「新しいiPhoneを設定」とポップアップが表示されたら「続ける」をタップします。

  3. 古いiPhoneの画面に表示される案内に従って、古いiPhoneのカメラで、新しいiPhoneに表示されたアニメーションを読み取ります。

  4. 新しいiPhoneの設定が完了するまで、新旧2台のiPhoneは何も操作せず近づけたまま待ちましょう。

  5. 古いiPhoneのパスコードを新しいiPhoneで入力後、Face IDやTouch IDの設定が表示されますが、あとで設定することも可能です。

  6. 新しいiPhoneでApple IDを入力し、サインインします。

  7. 「iPhoneから転送」をタップします。

  8. 利用規約に同意します。

  9. その後、位置情報サービスの設定やOSのアップデートのインストール方法、Apple Payの設定、iCloudのキーチェーン、Siriなどを設定します。

  10. 「データ転送完了」と表示されたら設定終了となります。なお、データ転送が終わるまでは新旧2台のiPhoneは近づけたままにしておきましょう。

クイックスタートなしで設定する

iPhoneでクイックスタートやApple IDを利用せずに手動でeSIM設定を転送する方法もあります。以下は、その手順となります。

クイックスタートを利用しない設定方法

  1. 新しいiPhoneの電源を入れ、画面の案内にしたがって初期設定を行ない、Apple IDの入力完了まで進みます。

  2. 利用規約を読んで「同意する」をタップし、Apple IDの設定が完了するまで待ちます。

  3. 「新しいiPhoneに設定を移行」で「続ける」をタップし、しばらく待ちます。

  4. 「別のiPhoneからの転送」を選択し、「電話番号を転送」をタップします。

  5. 古いiPhoneに「電話番号〇〇〇〇のSIMを転送しますか?」と表示されるので、「SIMを転送」をタップし、サイドボタンをダブルクリックして承認します。

  6. しばらく待つと「モバイル通信設定完了」と表示されるので、「続ける」をタップすれば完了です。

クイックスタートを利用せずApple IDも入力しない設定方法

  1. 新しいiPhoneの電源を入れ画面の案内にしたがって初期設定を行い、「位置情報サービス」の際に「位置情報サービスをオンにする」を選択します。

  2. 「モバイル通信を設定」で「近くのiPhoneから転送」を選択します。

  3. 古いiPhoneに「電話番号を転送」と表示されるので、「続ける」をタップします。

  4. 新しいiPhoneに検証コードが表示されるので、それを古いiPhoneに入力します。

  5. 新しいiPhoneに転送される電話番号が表示されるので、しっかりと番号を確認して、「別のiPhoneから転送」をタップし、「番号を転送」をタップします。

  6. 新しいiPhoneに「ほかのiPhoneで転送を承認」と表示されるので、古いiPhoneを確認します。

  7. 古いiPhoneで「転送を承認」と表示されたらサイドボタンをダブルクリックして承認します。

  8. しばらく待つと「モバイル通信設定完了」と表示されるので「続ける」をタップすれば、完了です。

その他のeSIM転送方法

以下は、デバイスの初期設定が既に完了している場合のeSIMの移行方法となります。

  1. 新しいiPhoneで「設定」>「モバイル通信」>「モバイル通信プランを追加」の順にタップし、しばらく待ちます。

  2. 「モバイル通信を設定」で「近くのiPhoneから転送」を選択します。

  3. 古いiPhoneに「電話番号を転送」と表示されるので、「続ける」をタップします。

  4. 新しいiPhoneに検証コードが表示されるので、それを古いiPhoneに入力します。

  5. 新しいiPhoneに転送される電話番号が表示されるので、しっかりと番号を確認して、「別のiPhoneから転送」をタップし、「番号を転送」をタップします。

  6. 新しいiPhoneに「ほかのiPhoneで転送を承認」と表示され、古いiPhoneには「転送を承認」と表示されるので、サイドボタンをダブルクリックして承認します。

  7. しばらく待つと「モバイル通信設定完了」と表示されるので「完了」をタップします。

  8. 5分ほど待った後、古いiPhoneで「設定」>「モバイル通信」の順にタップし、転送したeSIMが「(新しいiPhoneの名称)へ転送」と表示されるので確認します。

  9. 同じように新しいiPhoneで「設定」>「モバイル通信」の順にタップし、モバイル通信プランの中に転送したeSIMが追加されていることを確認します。

  10. 新しいiPhoneの画面上のアンテナマークの隣に転送したeSIMが使用している通信回線が表示され、インターネットが利用できれば完了です。

オプション設定

以下は、Bluetooth®またはiCloudを使ってeSIMを転送する詳しい手順です。

Bluetooth®の場合

  1. 新旧iPhoneでBluetoothがオンになっているか、古いiPhoneでパスコードが設定されているか新しいiPhoneでインターネットに接続しているかを確認します。

  2. 新しいiPhoneで「設定」>「モバイル通信」>「モバイル通信を設定(またはモバイル通信を追加)」の順にタップします。

  3. 古いiPhoneが近くにあって電源が入っていることを確認後、新しいiPhoneで「近くのiPhoneから転送」をタップします。

  4. 古いiPhoneに「電話番号を転送」と表示されるので、「続ける」をタップします。

  5. 新しいiPhoneに検証コードが表示されるので、それを古いiPhoneに入力します。

  6. 新しいiPhoneに転送される電話番号が表示されるのでしっかりと番号を確認して、「別のiPhoneから転送」をタップし、「番号を転送」をタップします。

  7. 新しいiPhoneに「SIMをほかのiPhoneに転送しますか?」と表示されるので、「OK」をタップします。

  8. 古いiPhoneに「転送を承認」と表示されるのでサイドボタンをダブルクリックして承認します。

  9. 古いiPhoneに「転送を開始しました」と表示されてeSIMを転送します。しばらく待つと「モバイル通信設定完了」と表示されるので、「完了」をタップすれば、終わりとなります。

iCloudの場合

  1. iCloudで設定する場合はApple IDが必要となるので、まずは古いiPhoneでパスコードが設定されているか確認し、新旧両方のiPhoneでインターネット接続して同じApple IDへサインインし、2段階認証を有効にします。新しいiPhoneでのサインイン方法は、新しいiPhoneの「設定」>「iPhoneにサインイン」の順にタップし、指示に沿って進めていくことでApple IDにサインインできます。また、新しいiPhoneでパスコードが未設定の場合は、新しいiPhoneで「設定」>「Face IDとパスコード」>「パスコードをオンにする」をタップし、パスコードを設定しましょう。

  2. 新しいiPhoneで「設定」>「モバイル通信」>「モバイル通信を設定(またはモバイル通信を追加)」の順にタップします。

  3. 「電話番号を選択」が表示されるので転送したい電話番号を選択し、その番号にチェックが付いているかを確認して「続ける」をタップします。

  4. 新しいiPhoneに「ほかのiPhoneで転送を承認」と表示され、古いiPhoneには「SIMを転送しますか?」と表示されるので、「SIMを転送」をタップします。

  5. 古いiPhoneに「転送を承認」と表示されるので、サイドボタンをダブルクリックするとeSIMの転送が開始されます。

  6. 6.しばらく待つと「モバイル通信設定完了」と表示されるので「完了」をタップしたら完了です。

物理的なSIMカードをeSIMに変換する方法

eSIMクイック転送を使用することで、物理的なSIMカードからeSIMに切り替えることができます。こちらでは、iPhoneやiPadでeSIMクイック転送を使って物理的なSIMカードからeSIMに切り替える場合の手順を紹介します。

  1. iPhoneの「設定」>「モバイル通信」>「eSIMに変更」の順にタップしますが、通信会社がクイック転送に対応していない場合はこのように表示されないので注意しましょう。

  2. 「モバイル通信プランを変更」をタップします。

  3. 「転送を承認」が表示されたらサイドボタンをダブルクリックすると古いiPhone内の物理的なSIMカードがeSIMとなって新しいiPhoneへ転送開始されます。

ただし、eSIMから物理SIMに切り替えることはできませんので注意しましょう。

まとめ

今回は、iPhoneでのeSIMクイック転送について紹介しました。巷ではいまだに物理的なSIMとeSIMのどっちがいいのかという論争がありますが、eSIMは上記で紹介したように様々なメリットがあるため、旅行中や普段の生活などで非常に使い勝手が良いといえます。もしeSIMを削除したい場合は、「設定」>「モバイル通信」から削除したいeSIMを選んで簡単に削除することができます。

また、今回紹介した各eSIMクイック転送方法で、eSIMやデータの移行を簡単に実行できることがわかりました。なかでも、iPhoneの機種変更でeSIMを設定する際の理想的な方法は、クイックスタートを使ったeSIMクイック転送でしょう。さらにeSIMクイック転送では、物理的なSIMカードからeSIMへの切り替えも可能です。まだeSIMを利用していない方はこの機会にeSIMクイック転送を使って切り替えてみましょう。

よくある質問

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    saily blog author monika baltutyte
    Monika Baltutytė

    モニカは元来、探究心が強く、人生をロマンチックに捉えており、旅に情熱を燃やしています。イスタンブールには特に思い入れがあります。旅とそれに伴うあらゆる挑戦を生きがいにしているため、心配性の母をいつもヒヤヒヤしています。そんな母を心配させないように1日に5回も連絡できるのも、信頼できるeSIMデータ接続があってこそです。