
SIMカードとは?種類や特徴、メリット・デメリット、代替手段を解説
スマートフォンを使う上で欠かせないSIMカードですが、その仕組みや機能を正しく理解していますか?SIMカードは、スマートフォンを通信キャリアのネットワークに接続するための重要な役割を果たします。最近では、物理SIMに加えてeSIMも普及し始めており、より自由度の高い通信プランを選択できるようになりました。本記事では、SIMカードとは何かを簡単かつわかりやすく解説し、種類やメリット・デメリット、さらにはeSIMとの違いや最適な選び方について詳しく紹介します。SIMカードの仕組みを知り、自分に合った通信プランを見つけましょう!

SIMカードとは?
SIMカード (Subscriber Identity Module) は、携帯電話やスマートフォンがモバイルネットワークに接続するために必要な小型のICカードです。見た目はシンプルなプラスチック片ですが、その中心には金属チップが埋め込まれており、加入者を識別するための番号や加入者の契約内容など個人情報が格納されています。
SIMカードには、物理的に挿入するタイプと、端末に内蔵されているタイプ(eSIM、iSIM)の2種類があります。物理SIMには、標準SIM、microSIM、nanoSIMの3つのサイズがあり、現在の主流は最も小さいnanoSIMです。一方、eSIMは端末に直接埋め込まれているため、SIMカードを差し替える手間が不要で、オンラインで簡単にキャリアの変更やプランの切り替えができます。さらに、iSIMはeSIMと異なり、端末のプロセッサ内に直接組み込まれているため、専用のSIMチップすら不要になります。こうした利便性から、物理SIMからeSIM、さらにはiSIMへ移行するユーザーが増えています。
SIMカードは何に使われるのか?
SIMカードの主な役割は、インターネット通信や音声通話を利用するための情報を提供することです。端末にSIMカードを挿入すると、加入者情報を読み取り、電話番号の割り当てやインターネット接続が可能になります。
また、SIMカードには、加入者の氏名、ID番号、電話番号、メールアドレス、契約プランなどの情報が保存されており、これらは利用者の識別や認証に使用されます。これにより、各端末が適切に識別され、音声通話、SMSの送受信、インターネット接続をスムーズに行うことができます。SIMカードは、ネットワーク認証を担い、ユーザーが簡単に通信サービスを利用できるようにする重要な役割を果たしています。
さらに、SIMカードはスマートフォンや携帯電話だけでなく、スマートウォッチ、IoTデバイス、車両の通信システムなど、さまざまな機器にも活用されています。モバイル通信技術の発展とともに、SIMカードの用途も広がり続けています。
SIMカードの種類
上述のように、SIMカードにはいくつかの種類があります。物理SIMには、標準SIM、micro SIM、nano SIMの3つのサイズがあり、端末によって適したSIMカードを使用する必要があります。また、最近ではeSIM(組み込み型SIM)が普及し始めており、物理SIMを使わずに端末内でネットワーク接続を設定できるようになっています。以下では、それぞれのSIMカードの特徴について解説します。
標準SIM (mini SIM):標準SIMは、1990年代後半から2000年代初頭の携帯電話で使用されていたSIMカードです。サイズは、25mm x 15mmで、主に2Gネットワーク(GSM)向けに使用されており、現在はほとんど使用されていません。
micro SIM:標準SIMよりも小さいSIMカードで、2010年代初頭からiPhone 4などの機種で使用されていました。各製造業者は、SIMカードのサイズが15mm x 12mmと小さくなった分のスペースをバッテリーやカメラに使用でき、より性能を高めることに繋がりました。
nano SIM:2012年に登場したnano SIMは、現在存在する物理的なSIMカードの中でも最も最先端のSIMカードです。micro SIMよりもさらに小型化(12.3mm x 8.8mm)され、スマートフォンはより薄型化しました。iPhone 5以降の多くのスマホがこのサイズのSIMカードを採用しています。
eSIM:eSIMは、物理的なSIMカードを必要とせず、端末に内蔵されたSIMチップにデータをダウンロードして使用する最新のSIM技術です。 2016年頃からスマートウォッチやIoTデバイス向けに導入され、その後2018年に、AppleのiPhone XR/XSシリーズがスマートフォンとして初めてeSIMに対応しました。現在では、多くのスマートフォンやタブレットでeSIMが利用可能です。
SIMカードとUSIMの違い
SIMカードとUSIMカードはどちらも、スマートフォンなどのモバイル端末がキャリアのネットワークに接続するために必要なチップですが、それぞれ対応する通信規格や機能が異なります。
まず、SIMカードは2G(GSM)ネットワーク向けに開発されたもので、主に音声通話やSMS(ショートメッセージ)の送受信に利用されていました。しかし、2G通信はデータ通信速度が遅く、大容量のデータ通信には適していませんでした。一方、USIMカードは3G以降のネットワークに対応したSIMカードで、より高速なデータ通信が可能になっています。現在の4Gや5G回線を利用するためには、USIMカードまたはeSIMが必要です。
セキュリティ面でも両者には違いがあります。従来のSIMカードは基本的な認証機能しか備えておらず、セキュリティ対策が十分とはいえませんでした。それに対して、USIMカードには高度な暗号化技術が導入されており、不正アクセスや盗聴への対策が強化されています。特に、金融取引やモバイル決済の普及に伴い、セキュリティの向上が求められる中で、USIMの重要性はさらに高まっています。
また、SIMカードは基本的に通話とSMSの機能しか持っていませんが、USIMカードはデータ通信にも対応し、VoLTE(高音質通話)やモバイル決済機能など、より多くの機能を備えています。そのため、現在販売されているほとんどのスマートフォンでは、USIMカードが標準的に採用されており、2G専用のSIMカードはほとんど使われなくなっています。
SIMカードとeSIMの違い
どちらもスマートフォンの通信に欠かせないSIMカードとeSIMですが、それぞれの仕組みや使い方には大きな違いがあります。
SIMカードは、物理的なチップとしてスマートフォンのSIMスロットに挿入する形で使用されます。キャリアごとに発行されたSIMカードを端末に挿入し、通信サービスを利用する仕組みのため、キャリアを変更する際は新しいSIMカードを入れ替える必要があります。また、SIMカードを物理的に取り出すことで、異なる端末に差し替えて利用することも可能です。
一方、eSIMは物理的なカードが不要で、スマートフォンに内蔵されたSIMチップにデータをダウンロードすることで機能します。従来のSIMカードとは異なり、eSIMはインターネット経由でキャリアのプロファイルを設定できるため、SIMカードを挿し替える手間がありません。これにより、キャリアの切り替えやデータプランの変更が簡単になり、特に海外旅行や複数回線を利用するユーザーにとって便利な選択肢となっています。
このように、SIMカードは物理的なチップを入れ替えて利用するのに対し、eSIMはデジタルでキャリア情報を登録・切り替えできるという点が最大の違いです。現在では、eSIM対応のスマートフォンが増え、従来の物理SIMとeSIMの両方を利用できるデュアルSIMモデルも一般的になっています。今後、より多くのデバイスがeSIMを標準搭載し、物理SIMからの移行が進んでいくと考えられます。
SIMカードを使うメリット
SIMカード(物理SIM)には独自の利点があり、現在でも多くのユーザーに選ばれています。 ここでは、SIMカードを使うことのメリットについて詳しく解説します。
幅広い端末に対応:SIMカードは、多くのスマートフォンやタブレット、モバイルWi-Fiルーターなどで利用可能です。特に、古いデバイスやeSIM非対応の端末でも使用できるため、幅広い機種で使えるのがメリットです。
簡単に端末を切り替え可能:SIMカードを差し替えるだけで、別のスマートフォンやタブレットでもすぐに同じ回線を利用できます。端末の故障時や、新しいスマホに買い替えた際でも、SIMカードを入れ替えればすぐに使えるのが便利です。
物理的に管理できる:eSIMはデジタル管理されているため、誤った削除や設定の変更が発生する可能性がありますが、SIMカードは物理的に手元で管理できるため、より直感的に扱うことができます。また、不要になった場合も取り出して保管できるため、使い回しや一時的な保管がしやすいのがメリットです。
キャリアの選択肢が豊富:SIMカードは、国内外の多くの通信キャリアが提供しており、プリペイドSIMや格安SIMなど、さまざまなプランから選べます。eSIM非対応のキャリアもまだあるため、SIMカードならより多くの選択肢から最適なプランを選ぶことが可能です。
セキュリティリスクを軽減できる:PINコードやSIMカードロック、暗号化技術、通信の保護、さらに通信キャリアによる不正アクセスの監視など、複数のセキュリティ機能によって安全性が向上し、盗難や不正利用のリスクが大幅に低減されます。
SIMカードを使うデメリット
SIMカードは、物理的なカードであるがゆえの欠点も存在します。 ここでは、SIMカードを利用する際に考慮すべきデメリットについて解説します。
キャリアの変更がしにくい:通信キャリアによっては、SIMロックがかかっていることがあり、他社のSIMを挿入しても利用できないことがあります。2021年10月1日以降に発売されたスマホ機種はSIMロックが解除されていますが、それ以前の機種はSIMロックがかかっている場合があります。
紛失・破損のリスクがある:SIMカードは小型のチップであるため、紛失や破損のリスクが常に伴います。 端末を入れ替える際、SIMカードを取り出す際に誤って落としたり、破損してしまうリスクがあります。
差し替えの手間がかかる:新しいスマートフォンを購入したり、通信キャリアを変更したりする際には、SIMカードを手動で入れ替える必要があります。 端末によってはSIMトレイを取り出すためのピンが必要だったり、サイズが合わない場合にはアダプターを使用する必要があったりと、設定に手間がかかることがあります。
防水・防塵性能に影響を与える:SIMカードスロットは物理的な開口部のため、防水・防塵性能が低下する可能性があります。eSIMのみの端末なら密閉構造にでき、防水性能が向上します。
盗難や不正利用のリスクがある:SIMカードは端末から取り出せるため、スマートフォンが盗難に遭った場合、SIMカードだけを抜き取られて不正利用される可能性があります。
SIMカードの選び方
現在、SIMカードにはサイズの違いや通信規格の違い、料金プランの違いなど、さまざまな選択肢があります。ここでは、自分に最適なSIMカードを選ぶためのポイントを詳しく解説します。
事前払いか後払いか:SIMカードには、事前に料金を支払って使用した分だけ料金がかかる「プリペイド式」と、通信会社と契約して毎月定額料金を支払う「ポストペイド式」の2種類があります。長期間利用する場合はポストペイド式のほうが割安になる傾向があり、一時的な利用の場合はプリペイド式が最適です。
通信速度とデータ容量:SIMカードの使用目的に合わせて、データ容量や通信速度を見極めることも重要です。たとえば、動画視聴やオンラインゲームなど大量のデータ通信を行なう場合は、データ無制限などのプランが理想的です。また、決められたデータ容量を使い切ってしまうと、速度制限がかかり、通信速度が大幅に低下することもあるため、事前に確認しておきましょう。
プランに電話番号が含まれているか:SIMカードを購入する際、価格や利用できる内容を確認することが重要です。SIMカードには、インターネットだけが利用できるデータ専用プランと、インターネットに加えて現地で使用できる電話番号やSMSが付与されるプランがあります。SMS機能が必要な場合は、データ専用SIMではなく、SMS対応のデータSIMを選ぶ必要があります。特に、銀行やオンラインサービスの二段階認証で電話番号を使う場合、通話機能のないプランでは認証コードを受け取れないことがあるため、事前に確認しておくことが大切です。
通信キャリアが端末に対応しているか:SIMカードを購入する前に、利用する通信キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど)が、自分の端末と互換性があるか確認する必要があります。特に、SIMフリー端末や海外製のスマートフォンを使用する場合、日本のキャリアの対応バンド(周波数帯)と一致しているかを事前に調べておくことが重要です。
SIMカードのサイズ:お使いのスマホと購入したSIMカードのサイズが合わない場合、正常に使用できないため注意が必要です。このようなトラブルを避けるためにも、SIMカードを購入する前に、事前に端末の対応サイズを確認しておくことが大切です。
新しいSIMカードを端末に設定する方法
新しいSIMカードを端末で使用するには、まず適切な手順で設定を行う必要があります。以下では、AndroidやiPhoneのSIMカードの取り方を含む、新しいSIMカードを端末に設定する手順を紹介します。
iPhoneの場合は「設定」>「一般」>「情報」>「SIMロック」の順に、Androidの場合は「設定」>「端末情報」>「SIMのステータス」と進んで、スマホがSIMロック解除されているかを確認します。
スマホの電源を切り、SIMカードピンを使ってSIMカードトレイを取り出します。
古いSIMカードを取り出して、SIMカードのサイズが正しいことを確認したら、向きを間違えないように慎重に新しいSIMカードをセットします。
スマホの電源をいれます。この際、端末が新しいSIMカードを認識し、「新しいSIMカードを検出しました」 などのメッセージが表示されることがあります。
ホーム画面から「設定」>「モバイル通信」を選択します。
「SIM」を確認し、新しいSIMカードが認識されているかを確認してください。
スマホや通信キャリアによっては、新しいSIMカードを使用する際に手動でAPN(アクセスポイント名)を設定する必要がある場合があります。APNとは、スマートフォンがインターネットに接続するための通信設定です。iPhoneは自動設定されることが多いですが、Android端末や海外SIMでは手動設定が必要になることもあるため、事前にキャリアのAPN情報を確認しておきましょう。また、SIMカードを切り替えると電話番号や一部の連絡先、SMSは移行されますが、写真やアプリ、ファイルなどはSIMカードに保存されていないため、自動では引き継がれません。そのため、SIMカードを切り替える前に、大切なデータをバックアップしておくことが重要です。
eSIMはSIMカードより優れているのか?
今回紹介したようにSIMカードにはさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。従来はスマートフォンやタブレットでインターネットを利用する際、物理的なSIMカードが主流でしたが、最近ではより多くの利点を持つeSIMに切り替えるユーザーが増えています。また、日本では長年、通信キャリアと契約し、毎月定額料金を支払うポストペイド式が一般的でしたが、近年はさまざまなインターネットサービスプロバイダーが登場し、通信環境に変化が見られます。特に、毎月の通信費を節約するために、使用した分だけ料金を支払うプリペイド式を選択するユーザーが増加しており、その多くがeSIMを利用しています。数あるeSIMプロバイダーの中でも、Sailyは優れた機能と高いセキュリティを備えた信頼性の高いサービスとして注目されています。アプリをダウンロードするだけで、簡単にプランの購入やデータの追加が可能で、初心者でも手軽に利用できる点が魅力です。また、1GBから選べるプランが用意されており、国内外問わず自分に合ったデータ量を効率よく選べる点が、多くのユーザーに支持されています。

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元デジタルノマドのNozomiは、7カ国を旅しながら暮らした経験を持ちます。どの国でも居心地よく過ごせたそうです。世界市民として、そして何よりも生まれながらの大阪人として「よりお得に、より良いものを見つける」を旅のモットーとしている彼女は、 情報を見つけることに長け、旅行中はeSIMを通してプロのようにウェブでリサーチを行います。